アルバム「Fairy Party」聴いてみた。
2018年11月21日、通算5枚目となるClariSのフルスペックアルバムCD「Fariy Party」がリリースされました。
今回も「完全限定生産盤」「初回生産限定盤」「通常盤」の3種類で、それぞれジャケットに使われている二人の写真は違うカットのものが使われています。
更新……11/21 12:50 加筆しました。
シングルとは一味違った「ClariSワールド」全開な収録曲を、今回も、管理人Ark-N(筆者)が独断と偏見で感想っぽい何かを書き連ねます。あくまで個人の感想なので、参考までにどうぞ。
お品書き
- 「Overture」
- 「1/F」
- 「ヒトリゴト」
- 「SHIORI」
- 「CheerS」
- 「陽だまり」
- 「distance」
- 「パラレルワープ」
- 「Last Squall」
- 「TRAVEL」
- 「PRIMALove」
- 「Time Tunnel」
- 「シニカルサスペンス」
- 「Fairy Party」
Overture
アルバムオリジナル曲。ClariSのアルバムでは初めてのインストゥルメンタル(無声曲)。わずか1分未満の曲ですが、夢の中に迷い込んだような幻想的で妖しげな曲調に引き込まれます。これから始まる「妖精たちの戯れ」の予感。
1/F
アルバムオリジナル曲。アルバム「Fairy Castle」に収録された「このiは虚数」に続く「数学用語を使った楽曲」です。軽めの曲調と軽快なテンポ、まるで楽器の一つであるかのようなClariSの歌声が相性抜群。特に高音部の透き通るような美麗さは、特に最近ClariSを知った人におすすめ。
個人的には「キャンドル消しておやすみ」のフレーズが「バブみを感じ」てしまいました(をい!)
ヒトリゴト
アニメ「エロマンガ先生」のエンディングテーマ曲として提供された楽曲。作詞者曰く「乙女モード全開で書いた」とのことで、SKA調のオケに合わせて楽し気なメロディと可愛らしい歌詞が特徴的です。
ClariSと言えば、大人っぽい歌声と若々しさの合わせ技というイメージが強いですが、今では曲に合わせて歌い方や息遣いを巧みに使い分ける「超・実力派」です。この曲はClariSの「可愛らしさ」がいたるところにちりばめられ、聴いているだけでニヤニヤが止まらなくなってしまいます。中毒性高し!
SHIORI
アニメ「終物語」に提供された楽曲です。歌詞の内容は物語シリーズの世界観との親和性が高く、ClariSの二人にとっても、「終物語」は楽曲を提供した作品の中でも特に印象に残る作品だったということが伝わってくるような、曲を聴いただけで作品のシーンが蘇ってくる楽曲だと思います。
また、一部ファンの間では「アリスに向けた、シングル曲『border』などへのアンサーソングではないか?」とも囁かれており、それを踏まえて聴きなおすと、また違った味わいを堪能できると思います。
CheerS
アニメ「はたらく細胞」のエンディングテーマとして提供された応援歌です。応援歌と言っても、高校野球大会で使われるような「押せ押せイケイケ」な曲調ではなく、「君らしいペースで」というフレーズにぴったりなゆったりめのテンポで、非常に聴きやすい曲になっています。また、間奏のホイッスルは、まるで「はたらく細胞」の血小板ちゃんを思い起こさせるニクい演出。
この曲では、初めて「シルエットではない本人映像」を使ったミュージックビデオやCDジャケットが話題になりました。公私共に仲のいい二人の紡ぐ世界が伝わってくる良作だと思います。
陽だまり
アルバムオリジナル曲にして、今回初めて収録された2曲のソロ曲のうち、カレンのソロ曲です。イントロが楽器ではなく小鳥のさえずりから入り、今度はやや大人っぽい歌い方が印象的な楽曲です。表題の通り「陽だまり」を感じさせてくれるような曲の運びで、目を閉じると太陽と青空、高原のようなすがすがしい風が浮かんできます。
先のCheerSと合わせて、「ちょっと気分が落ち込んだ時に効く」感じがとてもGood。曲の並びにも制作陣のこだわりを感じました。
distance
アルバムオリジナル曲。さきほどまでの楽しげなイメージの曲から一転、切なさに満ちた歌声が特徴のバラード曲に。同じタイトルの曲は世に溢れていますが、ClariSの「distance」はしっとりとした、フレーズの一つ一つから情景が浮かんできそうな、ストーリー性を感じる内容になっています。
こんな風に異性に思われてみたいです……Orz
パラレルワープ
アルバムオリジナル曲。デジタルな空気感漂うミステリアスな曲調が特徴の楽曲です。往年のテクノ全盛期を彷彿とさせ、ClariSの「レトロフューチャー」を思いっきり堪能することができます。
ダンスに合いそうな曲です。コンサートで拝見するのが楽しみ。また、曲中で繰り返される「パラレルワープ」の響きに中毒性があります。
Last Squall
アルバムオリジナル曲にして、クララのソロ曲です。亜熱帯、特に二人にとっての初の海外公演の舞台となったシンガポールの気候を思い起こさせるエキゾチックな雰囲気が特徴的な、悲しげで切ない歌詞と曲調の一曲。
ClariSの歌う失恋の歌って、他の曲もそうなんですが、なぜか心の底にすっと入り込んで、本当にスコールのようにいろんなものを洗い流してくれるような感覚があるのは筆者だけでしょうか。
TRAVEL
アルバムオリジナル曲。先の曲から一転、一気に華やかでアップテンポな曲調になります。曲中の言葉数が全収録曲の中でもトップクラスの多さで、ところどころ韻を踏んだ「聴いて楽しい、歌って楽しい」、そんな気がしてきます。
この楽曲を含め、ClariSの曲にはヴァイオリンなどの弦楽器が結構な頻度で使われているのですが、日本の女性アーティストで、ClariSほどヴァイオリンが合う歌声の持ち主はそうそういないんじゃないかな?
PRIMALove
アニメ「BEATLESS」に提供された、DZ Kz氏による近未来的なデジタルビートが印象的なイメージの楽曲です。
ClariSの楽曲には珍しく、タイトルに造語(「Primal」+「Love」)を使っていて、歌詞の中にもしっかり登場します。
イメージとしては「irony」や「nexus」といった「デビュー時の頃のClariS」の楽曲構成に近く、比較的古風ながら「未来的」な、まさに「レトロフューチャー」を感じさせてくれる曲に仕上がっています。
Time Tunnel
アルバムオリジナル曲。収録曲の一部がノイズ交じりに、収録順から逆順に流れていくインストゥルメンタル。まるで時間遡行をしているような感覚になります。次の曲「シニカルサスペンス」と合わせても「えっ、どこで切り替わったの?」という絶妙な繋ぎ方で、筆者も執筆中にびっくりしました。
シニカルサスペンス
アルバムオリジナル曲。ちょっとだけ昭和終盤~平成の初期を感じさせる曲調で、前半部分は筆者がかつてハマったアーティスト(ZARDとか)に通じるものを感じて感動してしまいました。
二番目とラストの間にある「待って」「置いていかないで!」というセリフシーンが、二次元美少女を思い起こさせて悶えました(*´з`)
Fairy Party
アルバムの表題曲にして、本アルバムのトリを飾る楽曲。「ヒトリゴト」が素直な可愛らしさを出している曲だとすれば、この曲は「イタズラ好きの妖精のように、ちょっぴり誘惑している」ような歌声が特徴です。
曲の長さは約3分半と短めですが、その短い中に「月」「星」というClariSのイメージシンボルにもなっているワードがしっかり入っているほか、かつてClariSとして活動していた「アリス」のイメージシンボル「太陽」のフレーズも入っており、アリスの時代を知っている人も知らない人も聴きごたえは十分です。
また、ミュージックビデオはClariSでも初めての試みとなる「本人以外オールCG」で構成されていて、幻想的で美しい世界観の中、実写の二人が妖精に扮して出演しています。仮面越しでもとにかく可愛い!(仮面ナシの二人を見たい方は、是非コンサート会場へ!)
総評
一言でまとめると「今のClariSを様々な角度から『鑑賞すること』ができる」、全体を通してクォリティが高いアルバムだと感じました。同名のツアーコンサートも含め、今後の二人からますます目が離せなくなってしまうこと請け合いです。
今まで「アルバムの曲構成」には特に意識を向けなかった筆者ですが、このアルバムは「このセットリストで完璧」だと思います。
最後に
ClariSと言えば「顔を出さないユニット」としてのイメージが強く、初めて写真集を出したときは賛否両論巻き起こりました。今でも「顔を出さないでほしい」という声も漏れ聞きますが、筆者としては、どんな決断でも彼女たちを支持する気でいます。そーれ、もっとやれぇ~(悪乗り)
余談ですが……
完全限定生産盤にて確認しましたが、2019年3月に開催される、アルバムと同名のツアーコンサートのチケットが、CD発売日から一週間の間、CD購入者限定で先行抽選で応募可能となっています。先のファンクラブ先行抽選でも落選者が続出したレアチケットなので、気になる方はぜひ、下のリンクからポチっとお願いします!